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不動産を所有している方が亡くなって、相続人の方がそれを取得した場合、登記簿の名義を書き換えることを相続登記、といいます。
この相続登記は、相続が開始されてから(所有者が亡くなられてから)いつまでしなければならない、という制限はありません。従って、相続登記をしなかったからといって、罰則があるわけではありません。
では、なぜ相続登記をしなければならないのでしょうか?
それは、相続登記をしておかないとのちのち様々な弊害が生じるからです。
例えば、Aさんが土地を持って亡くなったとします。Aさんの相続人はBさんとCさんです。ここでBさんとCさんは、土地はBさんがすべて相続する、という話し合いをしました。
しかし、Bさん名義に相続登記はしませんでした。
やがて、Cさんが亡くなりました。Cさんの相続人は妻Dさんと子のEさんとFさんです。
その後Bさんは、銀行からお金を借りる必要ができたため、Aから相続した土地を担保にしようとしたところ、銀行から「Aさんの名義のままではだめなので、Bさん名義にしてください」といわれます。
ここでBさんはあわてて相続登記をしようとしますが、この相続登記のためには、Cさんが既に亡くなっているため、その相続人であるDさんEさんFさんの協力が必要になります。
つまり、この三人のうちひとりでも、「Aさんからの土地をBさんが相続した」というBC間の話し合いを、知らないことだ、といってCから相続した権利を主張した場合、Bはすんなり相続登記を申請することができませんし、場合によっては、裁判所での調停が必要になるかもしれません。
また、三人すべてと親密に付き合っているとは限らないので、疎遠の方がいれば、その方に相続の一連の話しをして協力してもらうのも大変な労力です。
特に申請する期限のない相続登記ですが、放置することのリスクは、相続登記をしておく労力に比べてとても大きいのです。
引き継いだ貴重な財産が、のちのちトラブルの元にならないためにも、相続登記は気づいたときに済ませておくのが一番だと考えます。
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